第01回 モータードライバを作ってみた 記念すべき初回!
皆さん、こんにちは! レフィクシアのアンディです。
今回からレフィクシア社内ゼミ(通称:Lゼミ)の内容をお届けします。
Lゼミは社員の技術力向上を目的としていますが、その内容を技術ブログという形で皆さんにお届けできればと思います。主に電子回路を中心にその他のハードウェアやソフトウェア周りで勉強したことを解説していきます。
私の回路の知識はArduinoを触ったことがあるくらいの一般的な女子高生程度です。
第1回目は「つくろう!モータードライバ 完全に理解して自作できる本(著:はましぎじゅつ)」を参考にモータードライバを作っていこうと思います。
この本はモータードライバを作るために必要な知識や部品の選定などを詳細に分かり易く書いてあります。
私はモータードライバは既製品しか扱ったことしかなく、仕組みなんてトランジスタで動いているのだろうなあ程度の感覚です。
さっそく本を読んでモータドライバの仕組みを見ていきます。
これがブラシ付きモータでよく用いられるフルブリッジ回路の図です。4つのスイッチがモータの上下に2つずつ繋がっています。例えば右上と左下をONに左上と右下をOFFにすると右図のように電流が流れモータが回転し、逆の手順を行えばモータは反転します。これが基本的な動作原理らしいですね。このスイッチのところにMOSFETを使います。
ここでモータと電源間をハイサイド、モータとグランド間をローサイドと呼びます。次に回路を構成するMOSFETについて見ていきましょう。
MOSFETの種類にはNchFETとPchFETがあり、NchFETはゲートとソース間の電圧Vgsがしきい値Vthを超えるとドレインからソースに電流が流れます。PchFETはNchFETの逆でVgsがVth以下になるソースからドレインに電流が流れます。どっちを使うかは構成する回路によって変わります。4つすべてNchFETを使う回路、ハイサイドにPchFET・ローサイドにNchFETを使う回路があります。今回は後者を作っていきます。
あとはモータのインダクタンスや抵抗値、流す電流などからMOSFETや抵抗などを選定していきますが詳しく書くと長くなりそうなので割愛します。(本には詳しい計算方法まで記載されていますので気になる方はぜひそちらをご確認ください。)
そして取りあえずできた回路がこちら
必要部品
R1: 10Ω
R2: 10kΩ
PchFET: 2SJ681
NchFET: 2SK4017
C1: 100µF
モータ: 定格6V
R1はゲート抵抗と呼ばれ逆起電力によるノイズの影響を抑えたりします。
R2はマイコンやICから信号が無いときにMOSFETの働きをOFFにするためにあります。
回路が出来たので実際にブレッドボード上に作っていきます。
そして火入れです。一番緊張します。回路を作った私以外の参加者は隠れてみています(笑)。
左上と右下のゲート抵抗の先に電源からの電圧を加えると...
回りました! 60RPMなので遅いですが…
そして右上と左下のゲート抵抗に電圧を加えるとモータが逆転しました。
今まで既製品のものしか使っていなかったので、自分で回路を作ってモータを回すと楽しいですね。
自分でモータドライバを設計できるようになると既製品とは違って流す電流や部品のスペースなど自由度が変わってきそうです。
ちなみに今回は著者による解説がありました。次回以降もあるといいな~(期待の眼差し)
次回はゲートドライバICを使ったりマイコンで制御する予定です。
今回参考にした「つくろう!モータードライバ 完全に理解して自作できる本」は以下からどうぞ